1997年、セガ初のRPGとして、マーク3、マスターシステムにて発売された「ファンタシースター」。
滑らかに動く3Dダンジョン、SFファンタジーの世界観、女主人公と、数々の革新的な挑戦は好評を持って迎えられ、シリーズは4作品を数えたものの、メガドライブにて発売された「ファンタシースター 千年紀の終わりに」を境に、休眠期にはいっていた。しかし、ソニックチームがドリームキャストで開発を進めていたSFRPGに「ファンタシースター」の名前がついた時、新たな「ファンタシースター」が胎動を始めた。
国内ではまだアナログ回線の時代、ネットワークRPGはPCで、まだ2Dグラフィックが主流だった。
しかし、誰も挑戦した事のない家庭用ゲーム機初の3DネットワークRPGとして、開発は進められた。
そう、ファンタシースターとは、挑戦し続けるブランドなのだ。
そうして、3年もの開発期間を経て生み出されたドリームキャスト専用ソフト「ファンタシースターオンライン」はビジュアルロビー、フキダシチャット、ワードセレクト、シンボルチャットなど「言葉と距離を越える」多くのアイデアの詰まった、初めてのネットワークゲームとして、驚きと興奮を持ってユーザーに迎えられ、夜11時からのテレホーダイの時間になると、多くのユーザーが惑星ラグオルを目指して押し寄せた。
興奮は日本ならず世界に広がり、ユーザー同士の国際結婚などの事象までも生み出した。
「ファンタシースターオンライン」は並み居る強豪を抑え、「第5回日本ゲーム大賞」を受賞。
2001年6月には「ファンタシースターオンラインVer.2」がリリースされた。
また、2002年には4人でマルチプレイのできるニンテンドーゲームキューブで「ファンタシースターオンライン エピソード1&2」がリリース。画面分割によるオフラインでの4人プレイを実現し、集まってプレイする「みんなでできるRPG」として、さらなる年齢層の広がりを見せた。
また、ニンテンドーゲームキューブでは「エピソード3・カードレボリューション」もリリースし、「協力型対戦カードゲーム」と言う新たな挑戦も行った。
そして2005年、PCにおいて「ファンタシースターオンライン ブルーバースト」がリリース。
新章エピソード4も展開され、6年もの長きにわたりサービスを続ける事となった。
「ファンタシースターユニバース」はオンラインとオフラインの融合を目指し、舞台をグラール太陽系に移して展開される事となった。イーサンウェーバーを主人公としたストーリーモード、そして、多くのユーザーと交流しながらその続きを楽しむ事のできるネットワークモード。PS2とPCの同時展開など、数々の挑戦を秘めたタイトルであった。
しかし、サービス開始後、サーバーのトラブルが頻発、解決に多くの時間を費やし、多くの期待を受けたファンタシースターユニバースにとっては嵐の船出となった。
2007年には、ユーザーの要望を受けて改善を図った「イルミナスの野望」をリリースしたが、一度失った信頼を回復するには至らなかった。
しかし、イルミナスの野望は着実なバージョンアップやフリープレイ対応などを経て、現在でもサービスを続けている。
そんな中2008年夏リリースされた、「ファンタシースターポータブル」は「ファンタシースターユニバース」の外伝的作品ながらセーブデータを引き継ぐ事のできる、前代未聞の体験版の効果もあり、60万本を越える大ヒットとなった。
その勢いを受けて、2008年末には、ニンテンドーDSで原点回帰を謳い、マルチプレイに加えて、WiFiプレイのできる「ファンタシースターZERO」をリリースした。
そして2009年、「ファンタシースターポータブル」で寄せられた数々の要望に応え、「ファンタシースターユニバース」のシステムや、世界観を3年後の世界として大きくリニューアルした「ファンタシースターポータブル2」がリリース。
携帯ゲーム機の常識を超えるボリュームと、新たな挑戦といえるインターネットマルチモードは、大きな話題となり、こちらも60万本を越える大ヒット。マルチプレイRPGとして、一つの集大成を見せた。
「ファンタシースターポータブル2」に新システムを大幅に加え、インフィニティミッションやビジュアルロビー、フレンドサーチなど無限とも言える可能性とやり応えを見せるインフィニティ級RPG「ファンタシースターポータブル2インフィニティ」。
そして、新たな10年の幕開けを告げる、正統後継作品「ファンタシースターオンライン2」。
ファンタシースターシリーズは、さらなる10年を見据えてこれからも挑戦し続けていく・・・。
ファンタシースターオンラインが発売されて10年。
この10年間、いろいろな事がありましたが、ここまでシリーズを続けてこられたのは、我々を支え続け、叱咤激励の言葉をいつも下さっていたプレイヤーの皆さんのおかげです。
ファンタシースターオンラインでは、世界観、システムなどをほとんど一から作り上げ、今までにないものを!と言う事でモチベーションも高かった反面、「本当に面白いのか?」とよくわからないまま開発を続けていました。しかし、初めてオンラインにつないでフキダシが出た瞬間に「これは面白いものになる!」と確信を得ました。発売してからも運営やVer.2の発売、エピソード1&2と気が休まる事がなかなかありませんでした。
そしてファンタシースターユニバースでは、新たな進化を図る取り組みでしたが、ゲームシステム部分やサーバートラブルなど、ユーザーの皆さんの期待や信頼を裏切る事となってしまい、非常に申し訳なく感じました。
どうやってその信頼を取り戻すべきか、と言う思いを持ちながらこの6年間を過ごしてきましたが、「ファンタシースターポータブル」の大ヒットがあったおかげで、支えてくださった皆さんにもう一度振り向いていただける機会をもてたことは本当に幸運だったと思います。
ファンタシースターポータブル2からインフィニティへ、そして「ファンタシースターオンライン2」へ。
皆さんの期待を裏切る事のない、新たなシリーズの10年をになうソフトをこれから創っていかねばなりません。
2月より展開する「ファンタシースターポータブル2インフィニティ全国ファン感謝祭」は大きく規模を広げ、ユーザーの皆さん同士や開発者が直に触れ合えるイベントとして開催いたします。
そして次の10年を作るのも我々だけでなく、皆さんの期待や応援にかかっていると思っています。
今後とも、ファンタシースターシリーズをどうぞ、よろしくお願いいたします。
2010年12月21日 プロデューサー 酒井智史